CAT JACQUAED®

カットジャガードと呼ばれる織は、本来は毛束を裁断して完成する構造ですが、この仕上げに猫の手を借りることで、猫それぞれに味の違ったカットジャガードとして完成されるのがWECATSの「CAT JACQUAED®」です。ジャガード技術で有名な桐生の機屋と開発したこのテキスタイルは、猫の引っ掻き欲を最大限に刺激するような素材と織り構造を追求しています。椅子やソファの張り布、硬めのヨガクッション、猫のベッド、ルームパーテーション、アニマルセラピー施設のインテリアなど、用途は様々。日本の職人のセンスと技を結集して、CAT JACQUAED®がこれからの猫と過ごす空間デザインの歴史を刷新します。

DESIGN

織の構造それ自体が柄となり、同時に構造体となって強度を生み出しています。壊れる過程で下に隠れた別の織の構造が現れる、変わり飴のように変化をゆっくり楽しめる布。何度も試作を重ねる中で、強度が必要な箇所と、あえてうまく綻ぶようにゆるやかな箇所のメリハリがつけられる織り方を研追求しました。納品時の柄と、経年変化を経て程よい引っ掻き加工がされた時の柄は、コントラストを見せつつも、一貫性があるます。

音楽に例えるなら、始まりと中盤で結構な変化があるけれども、同じ作品として心地よく聞けるような曲でしょうか。実際、織機と音楽には共通点が多く見られるんです。例えばミニマルテクノに合わせて猫がバイオリンを即興演奏しているような……とか、それぞれの旅立ったCAT JACQUAED®がそれぞれの猫のもとで、百様の音楽と空間を作り上げてゆくのを楽しみにしています。

CRAFTSMANSHIP

変わり飴のような不思議な構造

織機で織れるように柄を組み換えていく、柄組と呼ばれる工程があります。変わり飴のような不思議な構造のCAT JACQUAED®のデザインを解読し、実際に織り機を動かすための「柄組」に変換してくれたのが、機屋さんとプロダクションデザイナーさんです。織物は立体的構造物。糸の素材や撚糸の密度、織り方で生み出される陰影によって、同じ黄色の糸であっても大きく視覚的印象は変わります。

高密度の織り設計で高強度を実現

ふっくらさせたい箇所には、太めのウール糸に細いウールを何本も追加します。構造の強度を出しながらも柄を繊細に細かく表現したい箇所には、綿がベースの細めの糸を使用します。さらに全体としては密度の高い織りに設計することで、椅子張りに耐える強度をクリアします(カケンテストセンターにて強度テストを実施)。また、生産を安定させるため常時在庫している糸から選びます。さらには、織機に一度に通せる糸の本数の限界がある中で、綾織、繻子織、平織など複数の織り方を組み合わせて、デザインの意図を尊重しながら柄を表現していきます。

猫の爪研ぎで程よくホツれ、千切れ、フサフサに

猫に引っ掻かれてホツれながらも、強度が求められる布地の構造自体は壊れない。しかし、ジャガードカットする遊び部分は、猫の爪研ぎで程よくホツれ、千切れ、フサフサになって欲しい。とはいえ、椅子張りや爪研ぎの過程で、ちぎれる前に糸ごとスポッと抜けてしまうのは避けたい。こうしたアンビバレントな要求を、限られた条件下で実現すべく解読してゆく過程はまさにパズルです。

物理的難題を解決

今回採用された二重織は、二枚の織物を接結糸と呼ばれる繋ぎ糸で繋ぎ合わせて1枚の織物に仕上げる織りです。その技法を活かし、表面に見える柄と裏面の柄を、どの糸のどの箇所で掬って繋げるかを、プロダクションデザイナーさんが頭の中で描きながら柄を修正してゆく必要があり、かなり数学的な作業でした。ある程度下と上の糸を交差させないと物性的に強度は上がらないのですが、交差させすぎると凹凸と奥行が失われ、空気が通らず布地が固く薄くなってしまいます。引っ掻きやすいように遊ばせているカットジャガード部分の面積も、椅子張りに対する強度に影響するので、何度も試作と検証が必要になりました。
こうして物理的難題を解決する過程そのものが、デザインの血肉となるようなテキスタイルが、2年越しでようやく完成したのでした。

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